Cell Space Architects

淡光の家

敷地は南北に細長く、北側奥に向かってなだらかな斜面になっており、その最奥部のいちばん高い尾根筋に2階建ての建物を配置しました。

1階個室には半屋外のテラスがあって、斜面の庭に繋がります。
2階では、中間領域としての広縁が、居間食堂を取り囲むようにL字型に地上から高く樹間に張り出す構成です。
2階の広縁は、生活空間としての居間食堂から樹間の景色を眺めるための奥行きをもった大きな額縁となると同時に、樹間に佇むための半屋外の居場所です。
南コーナー壁の背後にカウンターを設けることで、内部から林の眺めを遮らないよう、また、屋外にいる時に内部とは独立した場所になります。
家族が集まって楽しく過ごせると同時に、それぞれが個のスペースを確保しつつ、
自然環境の中で独立してリモートワークができるように色々な場所を計画しました。

また、自然の中で、客人を招いて茶会を催せるように、森の中に立体的に浮かぶ茶事のルートを計画しました。
障子を閉めて内部と切り離すと、広縁は茶室へ至る森の中に浮かぶ空中路地庭に変わります。コーナーのカウンターあたりは、茶事の時に腰掛け待合いになります。
和室は、普段は家族が寛ぐための畳の間、もしくは客間として利用することを想定しています。茶室として利用する時は、襖で仕切り、閉じた陰影のある空間になります。

森と連続する空間が、建具の使い分けや見立てによって、自然と繋がる日常的な生活の場にも、茶事のための非日常的な場にも変容することを目指しました。

Information

  • 所在地

    長野県

  • 主要用途

    別荘

  • 主体構造・規模

    RC造・木造、地上2階

  • 敷地面積

    1016.10m²

  • 工事期間

    2024年7月竣工