Cell Space Architects

山踏の家

暮らしの微地形

敷地は、国定公園内の小高い山の尾根に位置します。
斜面をしばらく登ると、南側には雲海に浮かぶ山並みの眺望が開け、ちょっとした山登りの感覚を味わえます。自然公園法の制限から,建物が建てられるエリアは尾根付近に限られ、敷地の斜面に沿った緩いカーブを描く細長い形状の平屋の計画しました。
斜面の地形は、運動により、大地という自然と人間を一体に結びつけてくれます。都会では得ることの出来ない圧倒的な自然に包まれた暮らしを実現するために、地形を建物内部まで連続させて、山を散策しているような感覚を、建物に織り込みたいと考えました。
建物が建つ部分の敷地斜面のレベル差を、生活する上で有効な高さに分割し、段差カーブの向きと幅を調整することで、微地形をつくり、生活の様々な居場所としています。
人が集まり火を囲む窪地のようなところ,
張り出したカーブに腰掛け、外の景色に意識を拡散させるところ、
木立を模したルーバー越しに高みから遠くの景色を透かし見るところ、
ルーバーに沿って細い通りを抜けると別の風景が広がる、
というように。

こうして、山歩きをするように、自然を満喫する生活の場が出来ました。

Information

  • 所在地

    群馬県

  • 主要用途

    別荘

  • 主体構造・規模

    RC造 木造、地上1階

  • 敷地面積

    3383.95m²

  • 設計期間

    2009年2月~2009年9月

  • 工事期間

    2009年9月~2010年7月