Cell Space Architects

元麻布の家

東京都心にたつ60代の夫婦のための小住宅です。空間の広がりを確保するため、100角の鉄骨柱とブレースで構成された壁を敷地形状にそってまわし全体を支える構成としました。
施主は、運動はスポーツジム、食事はレストラン、週末は別荘を利用というように、生活の機能を車の移動を介して都市の中に求められています。この住宅を都市生活の拠点であると位置づけ、車を通じてダイレクトに街に繋がる一方で、生活は都市から一定の距離を保つような調整装置としての住宅をつくりました。
車庫は、曲面ガラスで仕切られ、住宅に貫入しています。移動ツールである車が居住空間と視覚的に繋がり、都市との心理的な距離感は縮まります。
開口部の先には亜鉛メッキのルーバーを用い、プライバシ-を確保しつつ、街の気配を感じることができます。
都市住宅においてアウトソ-シングされずに最終的に残る住宅の巣としての性質について考えた結果、触覚的なデザインを行うことで身体の延長としての快適性を追求しました。感覚は相対的なものであり、堅いものの次にそれより柔らかいと感じるものを体験すると、より柔らかいと感じます。最初に必ず通る1階をステンレスの鏡面とガラスといった硬質な材料で、上の居住空間を軽い柳で仕上げています。随所に曲線を使い、さりげないバリアフリーと柔らかく包み込まれるようなデザインを心掛けました。

Information

  • 所在地

    東京都

  • 主要用途

    専用住宅

  • 主体構造・規模

    鉄骨造、地上3階

  • 敷地面積

    62.50m²

  • 設計期間

    2000年3月~2001年3月

  • 工事期間

    2001年5月~2002年1月