Cell Space Architects

襲(かさね)の家

この住宅は、「重ねる」、「くるむ」、「ずらす」という3つの操作を立体的に行うことよって、
建物全体の構成からディテールに至るまで一貫してデザインしています。
襖や障子が幾重にも重なって構成された日本の昔の住宅、
何枚も布を重ねて羽織った昔の和服、
重ねるという行為から生み出される日本の和の心を、形を変えて探っています。
一枚の面で内と外が区切られるのではなく、
何枚かの面を重ねたりズラしたりすることで、覆われた空間を作っています。

具体的には、
二つの折れ曲がった面を南北にずらすことにより、大きな庇と半屋外の空間をつくりました。
夏には強い日差しを遮り、冬には陽を長く室内に取り込めるようになっています。
屋根は二重になっていて、その間を風が通り抜け夏場の熱気を逃すと同時に、半屋外の屋上スペースを作り出しています。
地震などの水平力に抗するため、内側の面は斜めになり、ブレースとして作用しています。

Information

  • 所在地

    千葉県

  • 主要用途

    専用住宅

  • 主体構造・規模

    木造、鉄骨造、地上2階

  • 敷地面積

    85.32m²

  • 設計期間

    2003年1月~2003年8月

  • 工事期間

    2003年9月~2004年3月